大会情報
2019年度JKJO全日本ジョニア空手道選手権大会(祐心会取材)
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2019.11.08(Fri)
「武」とは戈を止めるという(争いを止める)会意文字であり、つまりは不当な暴力から身を守る道であること。
つまりはルールに護られている試合とは異なるもので、成長期の中学生の女の子が減量してまで殴り合いを楽しむものではないといった声が聞こえてきそうではあるのだが、そういった個人の意見はひとまず脇に置いておき、一つのことに真摯に頑張る、また頑張れるその精神は日常の平凡な生活の中から生まれるわけでもないのも事実なのです。
それほど魂が震えるほどの瞬間はスポーツの試合(敢えてスポーツと書かせていただきます)では必ずあります。
人と同じ稽古をしていてもきっとその瞬間は訪れない。
頑張っているから輝き放てるその瞬間をまさか中学一年生の女の子が見せてくれるとは思いませんでした。
11月4日に代々木の体育館で行われたJKJO全日本ジョニア空手道選手権大会に中学1年女子43キロ未満に出場していた太田万結選手(祐心会)。
中学生になり、体は成長期を迎えどんどん成長していき、体重は43キロを6キロも上回ってしまった。
ほぼ毎日稽古していても体は成長を止めることは許してはくれない。
古いボクシング漫画のような減量を重ね、稽古中は暖房を点け、サウナスーツを着込んでの稽古。
昨今の子供のスポーツ哲学で考えるのであれば、ルールそのものに疑問符を唱えたくもなるその過酷さに、文句も言わず淡々と稽古をこなしていく彼女の視線の先には一体何が見えていたのであろう。
きっと勝利のみでなく、大好きな空手の試合でならば耐えることができるといった自信。それを成長の糧とし、変われる自分を信じているからであろうその姿に魂が震えないわけはない。
普段なら決められる得意のコンビネーションなども影を潜め、本当に大切に打ち出されるその攻撃には清々しい光すら感じることができました。
知ったかぶりの意見などこの際どうでもよく、十分に戦えないその体調の中でも彼女の表情はどんどん充実していった。
前日の夜からのロードワーク、サウナの繰り返し。
会長である舟越氏も棄権の方向で、頑張ってきた彼女への労いの言葉を頭に浮かべていた。
しかし、一人だけ諦めていなかったのが本人であり、当日会場に向かうギリギリまで半身浴を繰り返し、なんと計量をパス。
その瞬間を知る人、見た人であればきっと誰しもがこういったであろう。
「頑張れ!万結」
彼女の光放つ攻撃、楽しげにも映る防御。
中学生に魅せてもらった頑張るその先にあるもの。
きっと彼女はその先にある理想が見えているからこそ、苦しさに耐えることができたのであろうと思います。
感動をありがとう。
お疲れ様でした。
ゆっくり休んでください。
管理人GOPS
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